薬草とは |
くすりの生い立ちは、その昔「草を用いて病を治し、楽にする」という意味から薬という文字が生じ、古代において、長い年月の経験の積み重ねにより知り得たもので、その多くは草根木皮を用いて身体の回復を図ったのが薬草の始まりと考えられる。所謂、薬になる草や木の実などを採り、乾かしたり加工したりして貯蔵し、必要な時に使用したものだといわれている。
各々の地域に永く人々の生活に溶け込み、健康に寄与し、何となく効くということを代々伝えられて現在に至っているが、だからといって、勝手に山野の草根木皮を採り用量も考えずに服用することは危険なことであり、又類似の毒草もあり、十分なる注意が必要です。
目的にかなった正しい使用法で、確かな効果があげられるよう、薬草との上手なつきあいをされることが大切です。 |
身近な薬草 |
アマチャヅル.イカリソウ.エビスグサ.オオバコ.カキドオシ.キキョウ.クコ.クチナシ.ゲンノショウコ.シソ.センブリ.タンポポ.トウキ.ドクダミ.ナンテン.ハトムギ.ヨモギ.etc. |
薬草の使用法 |
煎じ薬.湿布薬.浴用.薬味酒.薬草料理等応用範囲は広い。
※注)薬草の使用にあたっては、必ず専門家に尋ねること。 |
薬草の採取及び時期 |
薬草を四季を通して最適な時期に採取して、よく水洗いか又は湯洗いした後、余分な部分を取り除き、日光に当てて乾燥させたり、陰干し(通風性のよい場所)にしてから使用する。 |
根や根茎を使う場合 |
根に養分の貯えられる秋から春まで |
花を使う場合 |
開花直後又は最盛期 |
果実.果皮.種子等を使う場合 |
果実は成熟したもの、成熟直前のもの、未熟のもの、に分かれる。
一般に、完熟し、種子が飛び散る前 |
樹皮.枝皮を使う場合 |
活動期の夏から秋まで |
全草或いは茎.葉を使う場合 |
花期の2〜3日、晴天の続く日 |
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用い方 |
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(用量)
1日量は平均して3〜20g位であるが、生薬の性質や使う目的によって異なるので分量を確かめることが大切である。初めから多量を用いず、少量から始めて徐々に増量し適量とするのがよい。
老人や小児の1日量は、大人の体重を50kgとして換算し減量する。例えば体重15kgの小人では大人の約1/3量となる。簡単に15才以上は、大人と同量、8〜14才は大人の1/2ないし2/3、7才以下は1/3程度を目安として用いることが多い。病状や体力、体重により適宜増減することが必要である。
(煎じ方)
一般に民間薬(生薬)の1日量を土瓶又はホーロー引き、アルミやガラス製(鉄、銅製をさける)のヤカン.ナベに入れ、水400〜600mlを加え蓋をしてトロ火で約半量になる迄(20〜40分位)煮つめ、熱い中に滓を濾し服用する。薬の種類や用いる目的によって水の量が300〜400mlのものや、500mlの水を400ml位に軽く煎じたり、反対に1/3量迄に濃く煮つめる時もある。
[註]日本薬局方には、浸剤と煎剤がある。
浸剤
生薬に精製水50mlを加え約15分間潤したのち熱精製水900mlを注ぎ数回かきまぜながら5分間加熱し冷後布ごしする。
(例)センナ
煎剤
生薬に精製水950mlを加え数回かきまぜながら30分間加熱し温時布ごしする。
(例)ゲンノショウコ |